人生色々!ぽんちの山あり谷あり読書日記

こんにちは!ぽんちです。当ブログでは、私の読書記録をゆるく主観的に書き記していきたいと考えております。本との出逢いは、人生を変える。素敵な読書ライフを提供します!

本日の読書記録〜花咲舞が黙ってない(池井戸潤)〜

本日の読書記録は、池井戸潤さん著書の「花咲舞が黙ってない」です。

池井戸潤さんと言えば、「半沢直樹」シリーズや「アキラとあきら」と言った、ビジネスシーンを取り入れた事件解決物が得意な印象的ですね。

 

そんな中で、今回は「半沢直樹」シリーズにおける、東京中央銀行として合併する前の物語として、東京第一銀行に勤める花咲舞に視点を当てた「花咲舞が黙ってない」についてご紹介したいと思います。

 

簡単なあらすじを言いますと、当シリーズは、東京第一銀行(東京中央銀行として合併する前の片割れ)の臨店指導グループ(※臨店とは、銀行員のスタッフが支店を巡って、融資に対する与信判断や日常業務が適切に行われているか確認することである)一員である花咲舞が、臨店を通じて出会う数々の事件の様子を描いております。

 

印象的なのは、何と言っても銀行という組織の人間模様が描かれていることでしょうか。中央銀行のような官僚的組織の中に蔓延する、悪の数々。。。それに立ち向かおうとするも、そう簡単に斬りこめず、苦心する花咲含め、臨店グループの一員。。。

銀行の「悪」に果敢に立ち向かう花咲を応援したくなる気持ちが生まれる一方で、銀行に潜む悪代官の存在に嫌気が指します。。。

 

また、当著書を読んでいて気になるのが、「俺はこれまでこんだけ会社に身も心も捧げてきたのに、、、」という会社に対する深い絶望感と恨み。会社への忠誠心が生み出す弊害ではなかろうか、と考えております。今の日本社会を見てみると、会社に対してスキルを売っているというよりは、「奴隷契約」に近いような雇用体系を取っているのかもしれません。会社に対して忠誠を誓うとともに、会社から「人生計画」を授かるような。しかし、会社が提案してくれた「人生計画」に従って全うに生きたからといって、決してその先に明るい未来が待っているとは限りません。

結局、自分の人生は自分で決めなきゃいけないのですから、日々の意思決定は自己責任のもと、自分自身で行う必要があります。だがしかし、日本において会社という組織上、基本的に自分自身の意思決定権も会社に委ねる構造になっているのではないでしょうか。会社がAをしろと言えばそれを実行し、こちらがBという提案をしてみれば却下されて怒られて、C案を実行しようと話が変わってしまう。そして、それに従ってしまう自分。。。いつの間にか、入社当初の闘志は消え去り、会社の中に埋もれてしまう自分。。。

ある程度、「仕事は仕事、自分の人生は自分の人生」と割り切って生活している場合は、仕事以外の場で自分自身を保てているのかもしれませんが、仕事一本の人は意思決定権すらも会社に任せっきりになっていやしないでしょうか。

 

・・・話が横道に逸れましたが(※英語で余談はdigressionと言います)、上記のようなサラリーマンの実態が、当著書から見て取れました(詳しくはぜひ読んでいただければわかるかと思います)。そういう意味で、「大組織の一員として働くことがどういうことか?」自分なりに解釈した上で就職しなくてはいけないのかもしれません。

 

安定した給与、保証された社会的地位、決められた将来像、、、どれも理想的で素晴らしく思えますが、実は言うとまやかしにすぎないのかもしれません。

 

少し長くなってしまいましたが、読んでいてサラリーマン生活に疑問を投げかけたくなる一冊でした(一方で、銀行員としての使命を全うする花咲含め銀行員の葛藤も見て取れて面白いです)。

 

まずは、私自身何を道しるべとして生きていくのか決めなくてはなりませんね。

 

それでは次回またお楽しみに!アディオス!