人生色々!ぽんちの山あり谷あり読書日記

こんにちは!ぽんちです。当ブログでは、私の読書記録をゆるく主観的に書き記していきたいと考えております。本との出逢いは、人生を変える。素敵な読書ライフを提供します!

本日の読書記録 LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略-

 ご無沙汰しております。投稿が2週間ぶりとなりました。今回は小説から離れて、啓発本とでも呼びましょうか、毛色を変えて「LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略-」(リンダ・グラットン著)についての読書記録を書きたいと思います。

 まずはじめに、皆さんは御自身が何歳まで生きると考えておりますか?私は今までは「70~80歳まで生きるかな?」なんて考えておりました。現に、2017年の男性の平均寿命は80.98歳だそうです(2017年厚生労働省調査。ちなみに女性は87.14歳)。しかし、本著によれば、我々の世代(いわゆるベビーブームJr.世代〜さとり世代)は100歳を超える年齢まで生きるかも知れないのだそうです。

 

人生70年なら一生涯は61万3000時間だが、人生100年なら一生涯は87万6000時間になる(本著より)

 

「えぇぇぇ〜、そんなに人生長くなるの〜!?」と、お先真っ暗に考える方もいらっしゃるかも知れません。しかし、本著はそこの盲点をついて様々な持論を展開して、「長くなる人生において対処できること」を論じております。

私が本著を通して学んだ事としては、大きく以下の二つがあります。

  1. 我々の人生は「教育・仕事・余暇」と言う3ステージ制ではなく、多ステージの時代を迎える
  2. 有形資産の構築のみならず、無形資産の構築にも目を向けなければならない

1.我々の人生は「教育・仕事・余暇」と言う3ステージ制ではなく、多ステージの時代を迎える

 今までの時代は、20歳前後まで教育機関にて教育を受けて、基礎的な勉強と(人によっては)専門分野でのスキル習得を行い、仕事にてそのスキルを発揮し、65歳前後で引退する、という一連のストーリーが一般的でした。しかし、人生が100年になったらどうなるでしょうか?果たして、仕事の期間がそのまま長期化し、「ずっと働き続けなければならない」状況が続くのでしょうか。そんなことは無い、と言うより不可能に近いと、リンダは述べております。

ジェーン(仮想の登場人物)は労働市場の変化に対応するために、人生の途中で時間を割いて新しいスキルの習得に投資し、新しいテクノロジーを受け入れる必要がある。

 そう、我々は今まで主に一つのスキルに依存した仕事生活から脱皮し、途中途中で職自体の内容を変えるような変革を行わなくてはならない、と述べられています。テクノロジーの進化が読めない時代において、いつ自分自身の仕事が無くなるか、読み解くことは難しいはずです。そこで求められるのは、「その時代時代にあった適切なスキルを習得し、仕事に反映させる」、謂わば自己変容の受容とそれに対する行動力なのです。

 それでは、自身の変化を促すためには、何が必要となるだろうか。リンダは、本著において「自らのサンプルとなるような人物との出会い」、すなわち広範なネットワークが重要だと述べています。

活力と多様性に富むネットワークをすでに築いている人ほど、円滑な移行を遂げやすい(同上)

 まずは、「生涯一つのスキル・一つの仕事」に固着するのではなく、「仕事を大きく変える可能性もある」ことを念頭に置きながら、日々過ごすことが重要なのかも知れません。

 

2.有形資産の構築のみならず、無形資産の構築にも目を向けなければならない

 次は、無形資産についてです。そもそも無形資産とは何でしょうか?ここでは簡単に、自己の幸福といった自己の観点と、他者との関係性といった他者の観点の2つに区分できると考えます。さて、仕事人生を送っていた場合、どちらが主に増加していくでしょうか。おそらく、有形資産のはずです。仕事を続けることでスキル向上とともに、金銭的報酬も増加することでしょう。それでは、無形資産はいかがでしょうか。仕事に精を出していた場合、家族や友人と過ごす時間、もしくは新たな人的ネットワークの構築に充てがう時間は当然ですが減少していきます。もし、無形資産を疎かに取り扱っていた場合、もしかすると有形資産の損失以上に大きな痛手を被ることがあるかも知れません。例えば、自分自身がこれまで仕事で得てきたスキルがいらなくなった時。仕事がなくなり、誰かに頼ろうにも、これまで仕事に精を出してきたせいで、無形資産がほぼ残っておらず、家族からは愛想つかされ、友達はおらず。。。なんてことが起こらないことも無いでしょう。特に、人生が長くなるこれからの時代、一つのスキルに執着するのは専門性を極めると言う意味では大変良いかも知れませんが、少々リスクの伴う行為なのかも知れません。

特に興味深いのは、ハーバード大学の「グラント研究」だ。1938年〜1940年にハーバード大学の学部生だった268人の男性を75年追跡調査した研究である。この研究によれば、有形の資産が重要なことは間違いない。金銭的資産が乏しかったり、他の人より少なかったりすれば、不満が生まれる。しかし、人生に満足している人に共通する際立った要素の一つは、生涯を通して深くて強力な人間関係を築いていることだった。(同上)

仕事のみならず、適切に無形資産の構築とメンテナンスの時間も取る。そのためには多少仕事の時間を犠牲にすることを厭わない姿勢も重要なのかも知れません。

 

最後に、本著は人生プランを考える上で、新たな視点をもたらしてくれたと思います。これまでの3ステージ型の人生ではなく、多種多様なステージを持つ人生を送る人が増えてくると言う事実だけでなく、むしろ3ステージ制に癒着した生き方ではリスクを伴うという警鐘を鳴らしています。私自身、現在どう言う道に進もうか悩んでおりますが、「エクスプローラー」としてチャレンジしていこうと考えております。